関節リウマチの薬物治療は生物学的製剤やJAK阻害剤などの登場により飛躍的に発展しました。一方で高齢や併存症などにより十分な治療が困難な場合や、早期診断が困難な場合などにおいて関節破壊が進行してしまう場合があります。また加齢に伴い軟骨が変性する変形性関節症や、骨が脆弱になる骨粗鬆症の患者数も年々増加しています。私たちのグループでは主に下記の手術療法と薬物療法を行っています。
外反母趾をはじめとした前足部変形は関節リウマチ患者のみならず加齢と共によくみられる変形です。足底板などの保存治療でも症状の改善が得られない場合には手術療法を考慮致します。従来は変形した関節を切除したり固定したりする術式が多く用いられていましたが、我々はできるだけ患者様の関節を温存する術式を行っています。
扁平足に対する外側支柱延長術・距舟関節固定術・長趾屈筋移行術・踵骨隆起移動術、距骨下関節症に対する関節固定術、中足部の高度変形癒合例に対する中足部のV字骨切り術や回転骨切り術などを行っています。
変形性足関節症や関節リウマチなどによって足関節の変形や疼痛があり、保存治療(投薬・装具・関節注射など)に抵抗性の場合に手術療法を考慮致します。病状に応じて脛骨遠位骨切り術・人工足関節置換術・足関節固定術などを行っています。
関節リウマチや変形性関節症では全ての関節が手術対象となる可能性があります。当グループでは主に上記の足部の手術を行っていますが、外来での治療経過中に他の部位の手術適応についての判断を行います。手術が必要となった場合には大阪大学整形外科内の他のグループと連携をとり、病状に応じた手術療法を提供致します。
私たちのグループでは関節リウマチの診断から、メトトレキセートをはじめとした抗リウマチ薬・生物学的製剤・JAK阻害薬などを用いた薬物療法を行っています。大学病院以外の病院で診断や治療に難渋した、関節症状を中心とした症例を主にご紹介いただいております。関節リウマチ以外の自己免疫疾患や、併存症などにより治療に難渋する場合は大阪大学呼吸器内科・免疫内科とも連携をとりながら治療を行っています。病状が安定された患者様はご紹介頂きました前医や関連病院に逆紹介を行うなど積極的に地域連携を行っています。
関節リウマチやその他の成人の骨代謝性疾患に伴う骨粗鬆症の診断や、病状に応じた薬物療法の導入を行っています。その際は骨密度や骨代謝マーカー、骨代謝関連ホルモンなどの検査を行い、診断や治療選択を行います。病状が安定された患者様はご紹介頂きました前医や関連病院に逆紹介を行うなど積極的に地域連携を行っています。