有光 小百合 先生

平成13年入局
行岡病院 整形外科部長

阪大整形であなたらしいキャリアパスを描いてみませんか

このページにアクセスいただきありがとうございます!小児からご高齢の方まで、社会やスポーツへの復帰を手術という手段も交えて支援できる整形外科に、魅力を感じて頂いているのではないでしょうか。どんな病院で研修できるのかな?臨床一般の研修を終えたらたら、その先は?期待と同じくらい不安もありますよね。

阪大整形外科には、各分野に一流のスペシャリストが層厚く在籍し、各関連病院で直接指導を受けることができます。また、勉強会や研修会もさかんですので、研修と並行して気軽に参加して、アップデートされた知識を得ることができます。もちろん専門を絞らず幅広く治療を手掛けるという選択もありますし、研究の道に邁進される先生もおられます。豊富な人材が多様な働き方をしています。指導者に出会ってこの分野は面白そうだと感じたり、結婚したり子育てが始まってワークライフバランスを見直したりして、目指すゴールが明確になる方もいるでしょう。阪大整形では定期的なアンケートや面談で希望を伝え、自分自身で将来をプランニングしていきます。要は自分次第なのです。

京都府立医大卒の自分が20年間阪大整形に属す中で、まだ道半ばですが専門性を身につけ、子育てを行っています(現中1、小3)ので、以下の経験が少しでも参考になれば幸いです。

良き指導者との出会いがあります

という自分自身も、研修医の間はとりあえず目前の外傷の手術をこなすのに精一杯で、将来どうしたいかまで考えられていませんでした。そこで大学院進学の時期をひとつのターニングポイントとすることにしました。繊細で手術バラエティに富む上肢領域に興味はありましたが、今何がアツいのかを知るため阪大整形から年1回発行される季報を参考にしました。阪大整形には国際学会で受賞される先生が毎年多くおられ、季報に受賞報告が掲載されていて眩しく拝見していました。中でも当時アメリカ手の外科学会で毎年のように受賞されていた森友寿夫先生の手関節のバイオメカニクスの記事が印象的でした。生体関節の3次元的な動きや手根骨間の力学的なバランスを理解することで、効率的な手術を行って関節機能を維持し将来の病気の進行を止めるという考えが新鮮でした。手の外科の統括をされていた村瀬剛先生にお願いをし、希望を汲んでいただいて菅本一臣先生の運動器バイオマテリアル教室へ配属していただきました。手関節のバイオメカニクスを基礎から学び、以降その魅力に浸ることになりました。

あなたの「やってみたい」が実現できます

大学院ではコンピューター3次元動態解析技術を学びました。大学院卒業後はアメリカのMayo Clinic (Biomechanics and Motion Analysis Laboratories)に留学させていただき、新鮮屍体標本を使って遠位橈尺関節のバイオメカニクス研究を行いました。医局と研究室の配慮で同門の夫も同じ研究室で1年のリサーチ期間をいただき、冬はマイナス30°の酷寒の地ミネソタで生後9ヶ月の娘と留学生活を送ることができました。ボスと研究費用の相談、Cadaverの購入、厳しい倫理審査など研究を始めるまでの準備、実験デバイスの作成のためのエンジニアとの試行錯誤、Nurseryの四季折々のイベントなど留学ならではの経験ができたと思います。研究の成果は論文にまとめ、アメリカ手外科学会で賞をいただくことができました。私のようなものでも良き指導者に出会い環境に恵まれればこんな賞がいただけるのかと、その後のモチベーションになりました。

写真1 | Mayo Clinic Biomechanics Laboratory.
組織破断強度や関節不安定性を測定する装置の数々
写真2 | Mayo Clinicクリスマスの吹き抜けのロビーの様子

ライフステージに合わせた働き方ができます

帰国後、肝心の臨床がまだまだでしたので、外傷治療を一から勉強し直すために手術数の多い施設に赴任させていただき、とにかく手術記録を書きだめました。第二子を授かった時、産休前まで被爆のない手術を選んで入らせていただいたこと、院内保育所併設の病院だったので産後安心して復職させていただけたこと、外来を再開すると休めなくなるからと週数回の手術日の助手から復帰させていただいたことなど、ブランクが空かないよう大変配慮をいただきました。その後は手外科のスペシャリストが揃う行岡病院に赴任させていただき、手外科専門医を取得しました。手の外科と関節リウマチの2つの専門外来と手術に従事しています。難しい症例には、阪大発のソフトウェアを使った動態解析を行って術式を決めるなど、大学院で習得したことが臨床に生きています。若いころは一労働力でよかったのですが、今管理職世代になって病院という組織の中である程度充実感を持って働ける礎となっているのは、自分の場合30代までに身につけたスペシャリティとモチベーションの湧く領域に出会ったことかなと思います。今は日本手外科学会が製薬大手や化粧品メーカーなど企業とタイアップする企画のメンバーになったり、執筆の仕事を頂いたりと、仕事の幅は少しずつ広がっており、阪大整形というバックグラウンドに感謝しています。同時に、出来ることをやったらいいよという上司の先生方の温かい包容力、一番負担の大きい早出や当直業務を同僚の先生方が肩代わりして下さったことには本当に感謝しかありません。

写真3 | 行岡病院の同僚たちと(一部)

女性のライフイベントは到底予測不能ですし、子育てもずっと続きます。だからこそ、阪大整形で代々受け継がれる質の高い臨床スキルを吸収し、学術活動に触れ、人脈を生かして、あなたの限られた時間をぐっと充実したものにしませんか。岡田新教授体制となり若くエネルギーあふれる人材が益々求められています。壁を乗り越えるノウハウも共有しながら、長く一緒に働きましょう!!